太平洋に浮かぶ孤島“信天島(しんてんじま)”。
少年は縁あって、その島へと向かっていた。
調べてみたところ、信天島は幻の島と呼ばれ、オカルト的な噂話でしか語られていない。
事実、日本の領地として認められていない、架空の島だ。
当然のことながら、権利者も不明。
今は誰が住んでいて、どのような生活が営まれているのかも、不明。
全てが謎に包まれている“信天島”。
そんな場所へ少年が向かう理由はただ1つ。
自身の素性もまた、謎に包まれていたからである。
信天島に到着した少年は、封燐館(ほうりんかん)と呼ばれる施設に案内された。
館の主とそのメイド、そして自分と同様の客人達。
中には自分と同年代の人もいる……しかも、とびきり可愛い女の子ばかりだという。
「幻の離れ小島に、用途不明の怪しい洋館、ビーチと水着、そしてバカンス。
それに加えて美少女ときた」
少年の眼が鋭く光る。
「なるほど……これは、事件が起きるな」